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2021年4月23日金曜日

企業経営理論 〜競争地位別の戦略〜

 フィリップ・コトラーは、業界内での企業の相対的地位を市場占有率に基づいて、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーに分類し、それぞれの地位に応じた戦略をとることが望ましいと主張している。

リーダー企業

自社が属する業界のライフサイクルの導入期に活動が活発になり、他社の行動を追随する同質化を推進し、市場全体の規模を広げる役割を担っている。リーダー企業がその地位を守るためには3つの要素がある。①市場全体の規模を拡大すること、②自社のシェアを守ること、③シェアの拡大を図ること、である。3のシェア拡大に関しては独占禁止法の問題があるため限度があり、最終的には最適なシェアに落ち着くことになる。しかし、最適シェアに達するまではシェアの拡大を図る。マーケット・シェアの拡大はリーダー企業に大きな利益を生む。
同質化政策

リーダーがチャレンジャーに対してとる戦略。同質化政策とは、チャレンジャーによる差別化戦略に対し、経営資源の優位性による模倣・追随により、その差別化戦略を無にするものである。なお、チャレンジャーの戦略定石は、対リーダーへの差別化や自社と同等以下の企業への攻撃であり、市場シェアの拡大を図ることである。フォロワー企業のなかにはただ模倣するばかりでなく、自らリーダー企業の製品に工夫を加え改良する企業もある。また、フォロワー企業の改良品が優れたものであるならば、リーダー企業はその改良品を追随・模倣する。
周辺需要拡大

市場全体の需要を底上げしていく戦略である。当該製品の需要が拡大した場合、その新規拡大分がシェア構成に応じて分配されるならば、最大シェアのリーダーの取り分が最も大きくなる。また、周辺需要の拡大により獲得できる新たな顧客層は、いわゆる後期大衆である場合が多く、当該製品の関与度が相対的に低いため、トップブランドの製品を購入しやすい。その結果、リーダーの取り分は、現在のシェア構成以上に高まる可能性がある。周辺需要の拡大による売上の増加やシェア拡大と製品開発の投入スピードとの因果関係は弱く、売上の増加やシェア拡大により獲得した資金を迅速に新製品へ投入することも考えらえるため、一概に、売上増加やシェア拡大が新製品の投入を遅らせてしまうとは限らない。また、周辺需要を拡大することが新たなニーズの発見などで新製品開発に結びつくこともある。
チャレンジャー企業

チャレンジャーがリーダーを逆転する上で有効な戦略は、リーダーが蓄積してきた企業資産(生産設備や技術など)や市場資産(ソフトウェアや企業イメージなど)を負債にできるような、リーダーの足を引っ張る戦略である。
フォロワー企業

フォロワーは、ある業界で3位以下に位置し、あえて危険を冒すことなく現在のシェアを守ろうとする。業界で生き残ることを目標に、購買の動機として価格を重視するセグメントをターゲットにし、徹底的なコストダウンを行い、代替品を低価格で提供していく戦略を採る。市場全体をターゲットとするフル・カバレッジにより、リーダーの製品を模倣していく戦略を採る。フォロワーの基本戦略は、リーダーや他企業に対しての模倣戦略が主となり、収益をあげるにはローコストオペレーションによる低価格戦略が必要となる。
ニッチャー企業

ニッチャーの戦略は、特定の市場セグメントで疑似的独占を形成することである。特定の市場セグメントで独自性を発揮できる戦略を遂行して、強い市場支配力を狙うことが必要である。狭いターゲットに対して、業界の価格競争には巻き込まれないように閉鎖型の販売チャネルを採用して、媒体を絞り込んだプロモーションを展開する。集中による特定市場でのミニリーダー戦略とも言える。リーダーの戦略である周辺需要拡大、非価格対応、同質化政策、最適シェア維持といったリーダーの戦略を特定市場で行うことでもある。
ニッチ戦略が成り立つ条件としては以下、
・利益が出る市場規模があること
・市場に潜在的な成長力があること
・他社の参入を防ぐ障壁を築いていること
相対的地位による価格競争

クールノー均衡

クールノー均衡とは、相手の企業の生産量を所与として自社が利潤を最大化した場合の生産量の組み合わせである。
シュタッケルベルク均衡

シュタッケルベルク均衡は、どちらかの企業が先導者(リーダー)になり、もう一方が追随者(フォロワー)となるという設定に特徴がある。ここで、先導者(リーダー)の生産量はクールノー均衡の状況と比べて多くなり、追随者(フォロワー)は少なくなる。
ベルトラン均衡

ベルトラン均衡は、相手企業の設定する価格を所与として自社が利潤最大化を実現する場合の価格の組み合わせを意味する。ここで、価格競争を行う場合、追随者(フォロワー)は、先導者(リーダー)が付ける価格を見て後から価格を設定することができる。 そのため、追随者(フォロワー)の方が先導者(リーダー)よりも利潤は多くなる。

企業経営理論 〜競争回避の戦略〜

先発企業と後発企業
先発企業

先発企業は、累積生産量を積み増すことができるので、経験曲線効果が働き、コスト優位を追求することができる。成功に結びつく経営資源を業界に知れ渡る前に入手することにより、持続可能な競争優位を獲得して、模倣に対する障壁を築くことができる。例えば、コンビニエンスストア業界における先発企業であるセブン-イレブンは、独立心旺盛で能力も高い人をフランチャイジーとして獲得することができた。顧客側のスイッチングコストが高い状況では、先行者となる企業の優位性が維持されやすい。

デメリットとして、先行企業が特許取得によって得られる利益機会は、早期投資に見合う収益が不確実である場合、必ずしも大きくならない。特許取得には弁理士に払う費用や申請費など多大なコストがかかる。取得した特許の全てが利益に結びつくわけではなく、利益に結びついたとしても満足できる額の利益を得られるかどうかは不明である。また、先発企業は周辺技術まで特許を取得することも多く、その意味でも利益機会が必ずしも大きくなるとはいえない。
後発企業

新興市場の不確実性が高い場合、後続企業は新規分野への参入の意思決定を遅らせて、ビジネスの機会が確実になるとただちに量産態勢を整えて市場に参入すれば、先発企業に比べてコスト優位を発揮できる可能性が高くなる。例えば市場調査費や製品認知のためのプロモ ーション費など、市場開拓のためのコストを削減することができる。

企業経営理論 〜事業の経済性①(スピードの経済等)〜

 スピードの経済とは、情報の活用により不確実性をなくして無駄を取り除き、様々なスピードを上げることで得られる経済的な便益のことである。

先発企業の戦略

先発企業の優位性

①経験曲線効果を得られる
②希少資源を利用できる
③模倣に対する障壁を築くことができる
先発企業の不確実性

①先発企業が特許取得によって得られる利益機会
②特許取得により独占した技術の顧客ニーズへの合致
タイムベース競争

タイムベース競争とは、日本企業が世界でも競争力のある製品を輩出できた要素の一つとして、開発から顧客の手に渡るまでの時間を短縮し、 他社よりも早く発売するという「時間」に着目して競争力を高める考え方である。様々な時間を短縮することで先発優位を得て、経験(曲線)効果を早期に得ると共に効果的な顧客サー ビスを生み出し、技術やヒトのなどの経営資源を先取りすることができる。
タイムベース競争の効果としては以下が挙げられる。
・生産リードタイム短縮→原材料コスト削減、原材料購入にかかわる金利も削減できる
・開発から発売までの期間短縮→顧客の需要に対応でき販売機会損失回避することでの売上増加が期待できる。
・最初に市場投入することで、商品=ブランド名となりブランド認知が高まることでの売上増加が期待できる。
・顧客へのサービス迅速化、ニーズへ俊敏に対応、市場でのブランド認知向上、供給する製品・サービスの付加価値が上昇し競合よりも高い利益率が得られる。
・生産リードタイム短縮→売れ残り(在庫)回避→リスクの低減
経験(曲線)効果

累積生産数量が増加することにより総付加価値コスト(直接人件費、製造間接費、輸送費、 販売費および一般管理費等)が削減されることである。規模の経済性(1回あたりの生産量を増加させるとコストが低下する) とは別物であることに注意する。製品開発では、最初に製品を生産・販売することで競合他社よりも早期に量産化することで経験効果を連続的に享受できるような先発者の優位性が生じる。なお、経験(曲線)効果は大規模生産によってではなく、 生産量の累積によって得られる。

2021年4月17日土曜日

企業経営理論 〜組織間連携〜

戦略的提携

戦略的提携とは、2つ以上の企業が、新たな事業機会を開発するために、互いの資源を共有する組織編成のことであり、長期契約、相互株式所有、合弁(ジョイント・ベンチャー)などさまざまな形態がある。 戦略的提携の定義に関してはさまざまな考え方があるが、狭義には、資本関係ではなく高度に戦略的観点による契約に基づくものとして捉えられ、広義には、販売協調、合弁、クロス・ライセンシングなども含めたものとして捉えられる。また、提携契約の一種の担保としての資本参加が行われることもある。企業の独立性を維持したまま、緩やかで柔軟な連携を生み出すことである。範囲の経済を利用できる内部開発によるコストよりも、共同開発のような提携によるコストが小さい場合、内部開発に代わって選択される。


また、J.バーニーは、連携による「企業間の範囲の経済」を創出することで、①規模の経済の追求、②競合からの学習、③リスクとコスト分担、④暗黙的談合の促進、⑤低コストでの新規参入、⑥新たな業界もしくは業界内新セグメントへの低コスト参入、⑦業界もしくは業界内セグメントからの低コストでの撤退、⑧不確実性への対処などをメリットとして挙げている。
M&Aのように組織的な統合を行って階層関係を構築することによるデメリットを回避するものである。階層関係を構築することによって、仕事の調整はしやすくなる一方、上位組織の判断が間違っていると下位組織もその方向に進まざるを得なかったり、上位組織の意向に反した情報が出しにくく、適切な情報が伝わらないデメリットがある。よって、独立した企業として対等な関係をつくることで、情報を還流させ、互いに学習しあうことを狙う。また、多様な関係をつくることにより、異質な情報を取り入れ新しい知識を獲得する機会を増やしていくことを志向する。戦略的提携におけるリスクの1つに、提携相手(パートナー)の裏切りがあるが、裏切ったことが対外的に知れ渡ると、パートナーの評判が悪化するため、この評判の悪化は裏切りのインセンティブを抑制することになる。提携における裏切りの実例として、パートナーが自社の競合先と同じような提携関係を築くことがある。

M&A

企業と企業とを組織的に統合すること。M&Aにおけるデューデリジェンスとは、交渉段階で行うもので買収の対象となる企業の価値と買収によるリスクについて、財務や人材、知財、情報システムなどの様々な側面から調査を行うことである。同業種のM&Aでは規模の経済と取引力増大のメリットが享受できるが、自社の必要としない資源まで獲得する恐れがある。既存事業が衰退期に入っている状況下で、市場支配力強化したい場合は時間的に切迫しており、また、内部成長策でも投資を増強する必要があるため、相対的には買収への投資は投資コスト・リスクが大きいとはいえない。よって、この場合の投資は時間的に切迫しており、投資コスト・リスクが小さいので、内部成長よりも買収する方が適している。 戦略的提携(ライセシング契約)では契約先の「裏切りの脅威」を回避できず、取引を安定化できる関係の構築の点では買収の方が優れている。

M&Aの採用基準

国際競争力を得るために、販路を拡大する。
M&Aのメリット

[買収企業]
①優秀な人材を確保できる
②ノウハウを習得できる
③雇用と機能の維持が図れ、地域社会に貢献できる
④短期に企業規模を拡大できる
⑤規模の経済を追及できる
⑥販売や生産のシナジーが期待できる
[被買収企業]
①経営者が新たな後継者を得て引退できる
②被買収企業の従業員にとって雇用機会が確保され、動機づけの要因となる
③規模の大きな企業で働けることから、士気向上が期待できる
④買収企業の優れたノウハウを吸収できる
M&Aのデメリット

[買収企業]
①M&A実行時点で得ることのできる情報が少なく、締結後に新たな問題が生じる可能性がある
②両社の組織文化や管理方法の違いによる対立(コンフリクト)が発生する
③人事や給与体系、管理方法、拠点や設備など統合が進まなければ、非効率となる
[被買収企業]
①両社の組織文化や管理方法の違いによる対立(コンフリクト)が発生する
②企業文化や企業理念の違いから、従業員がそれまでの同様の環境で働けない
部品取引における企業間関係

承認図方式

受注側が部品の詳細設計を行い、完成した設計図について発注側の承認を受けた後、受注側はこの設計図に基づき部品を製造し納入する(設計図の所有権と品質保証責任は部品メーカーが持つ)
委託図方式

承認図方式の手続きで設計・製造・納品が行われるが、設計図の所有権と品質保証責任は完成品メーカーが持つ
貸与図方式
発注側が部品の詳細設計を行い設計図を発注側に貸与し、受注側は貸与された設計図に基づき部品を製造し納入する
デザインイン

「製品の企画・設計をする際に、研究・開発部門や製造及び外注購買部門と協議し、製品開発期間の短縮、製品原価の低減などを図る活動」(JIS Z8141-3103)である。部品の受発注においては、部品設計段階で部品メーカーを決定して詳細設計を外注することになる。設計・製造・外注先と連携した開発と設計による開発期間の短縮や、コストの削減を目指すものである。

事業承継の方法

MBO

これまで経営を担当していた役員が株式を買い取る方法。財務担当役員と同僚の役員が、投資ファンドの支援を受けることなどを通じて オーナー社長から株式を買い取り経営を引き継ぐ場合。
EBO

勤務経験が長いベテランで役員ではない企画部長と営業課長が、金融機関から融資を受けてオーナー社長から株式を買い取り、役員と従業員を刷新して経営を引き継ぐ場合。
MBI

社外の第三者や外部の投資ファンドに株式を売却し、役員ではない従業員が経営を引き継ぐ場合。雇用を確保するために行うことが多い。

LBO(レバレッジドバイアウト)

プレゼンを通じて金融機関から資金調達し、他企業を買収する。

オープン・イノベーション

社内の開発部門と社外の開発部門が競争し、社外の開発部門が成功すれば、社内の開発部門も刺激され動きが速 くなることが期待される。社内に優秀な人材は必ずしも必要でなく、社内に限らず社外の優秀な人材と共同して働けばよく、人材確保の点でも内部の開発コストの低減が期待でき、かつ開発時間の短縮も期待できる。

産学官連携における教育機関側の問題点

大学や政府機関との連携を通じた戦略的提携を産学官連携という。

大学が担うべき役割の「公共性のある資金を使用して客観的で公平・公正な教育研究活動」における利益相反は、狭義には「教職員または大学が産学官連携活動に伴って得る利益と、教育・研究という大学における責任が衝突・相反している状況」である、解消するものではなく、適切に管理(マネジメント)するものとして考えられている。

大学教員をパートナーに起業した場合の利益相反としては①営利取得の可能性があるために、当該教員が企業家活動から個人的利益を追求する利益相反を生み出すことがある。②大学の知的資源や労力を流用する際に、営利目的のために大学院生や学部学生を利用し、研究の方向性が研究者の個人的な利益のために変更され、学部教育や大学院教育を弱体化させることがある。③大学の発明に対して排他的な権利を保有したいと要望し、利益を追求する目的を果たすために知的財産を取得し、知識の流通を限定して潜在的に価値のある商業技術の普及を遅らせることがある。

アウトソーシング

社外に一部の業務を出すことで、コストの削減や自社の中核資源を突出させて資源制約の壁を乗り越える手法である。社外に委託する事業領域と自社で取り組む事業領域を峻別して経営資源を集中特化することを可能にし、中核資源を突出させて特定事業領域で独自能力を構築できるようになる。
戦略目的

①コア業務への経営資源の集中
②専門性の確保
③コスト削減
メリット

①外部の専門知識や自社にない固有技術が活かせる
②当該業務の設備や要員や自社内に抱えないため、固定費を圧縮できる
③投資余力をコア業務に集中させ、資金の流動化と資本効率を向上できる
デメリット

①業務内容の機密やノウハウ漏洩に懸念がある
②業務を理解できる従業員が社内にいなくなると業務がブラックボックス化する
③導入部署での人員削減に伴いモラールやサービス水準が低下する
イノベーションを目的とするアライアンス関係

アライアンスとは相乗効果や新規事業の創造を目的とした業務提携、同盟のこと。相手を上回る出資比率を維持して、意思決定の権限を確保することに留意することもあるが、相手が保有するノウハウなどを学習し、新たな知識や能力を創造する場合もある。アライアンスの形成には信頼の醸成が必要であるが、その信頼の基盤は時間の経過とともに打算的信頼 (コストとベネフィットの合理的考慮)から認定的信頼 (認知や思考の同一化)、さらに情感的信頼(参加者間の感情的一体化)に変化するため、取り引きの経済評価が甘くならないようモニタリングやインセンティブを考える必要がある。
コンソーシアム

共同事業体のこと。複数の企業が共同出資することもあれば、産学連携のように企業と大学との連携で基礎的な研究開発を推進することもある。コンソーシアムは、各参加者が強みや資源を持ち寄り、イノベーションや共通事業の目的達成のために結成される。一時的で法人化などはしない。
下請関係

取引コストは新たな取引相手を探すためにかかるコストや取引契約後に取引相手に契約内容を正しく履行させるためにかかるコストであり、高度な資源や複雑な内容を取引する際にコストが高くなる傾向がある。 下請関係が既存の取引関係であれば新たな取引相手を探すコストはかからず、相手の力量もあらかじめわかっているので取引契約後のコストも少なくて済む場合がある。
ジョイントベンチャー

ジョイントベンチャーとは合弁企業や共同企業体のことである。比較的長期にわたり特定の事業目的をもつ企業同士が提携することである。継続的なもので法人化する。
ライセンシング(実施許諾)

特許権者が、特許発明の実施権を第三者に供与することで、その対価を得ることである。実施許諾を受けた第三者から見て短期間に技術を獲得するのに有効であるが、特許権の移転ではないため獲得した技術を自社が自由に利用する権利が制約されるリスクがある。
下請関係

下請製造業の生き残り戦略

①提案型企業(超下請):親会社が実施する製品開発や改善活動に対し、メンバーとして参加や技術提案を積極的に行う
②取引の分散(拡下請):技術力や機動力を高めて自立した企業としての基盤を築き、親会社の取引数を増やす
③下請取引からの自立(脱下請):独自技術や独自製品の開発を行い、独立性の高い企業になる
メリット

仕事が安定し、独自の営業活動が不要
デメリット

非下請企業と比較して黒字企業の割合が少ない
下請を継続する理由

①下請企業側:親会社と比較して売上高の変動に対する抵抗力が弱いため、リスク回避的(低リスク、低収益)な企業行動を選択せざるを得ない
②親企業側:下請に対して安定した受注を供与する代わりに「対価」として専門的技術・製造技術を活用する。関係特殊資源の一部として、コスト面や技術面等における情報も共有化することになり、自社の活動をスムーズに行い得る
ポイズンピル

企業における買収防衛策のひとつ。 既に自社の株主となっている人たちに事前に新株予約権を発行しておくことで、会社にとって好ましくない相手に自社の株式を奪われることを防ぐこと。

2021年4月16日金曜日

企業経営理論 〜成長戦略〜

製品と市場によるマーケティング戦略

















市場浸透戦略

既存の製品において、既存顧客一人当たりの使用量の増加を図るなど顧客内シェアの向上を目的とした戦略である。既存顧客がいないと戦略が成り立たないので、「既存顧客が流出しないこと」「既存顧客を維持すること(=固定客化)」の2つに留意する。他社の参入を阻止するために自社の市場シェアを強化するための体制を整備することは市場浸透戦略の補強行動として適切である。
新製品開発戦略

既存の市場に対して新製品を投入する戦略であり、製品ラインの拡大や、モデルチェンジなどによって新製品で市場深耕を図ることを目的とした戦略である。
新市場開拓戦略

既存製品において国内・海外を問わず新しい市場を開拓していく戦略である。既存製品の新用途を開発することも含まれる。例えば、ネスレ社のインスタントコーヒーメーカーである「バリスタ」は、家庭だけでなくオフィスや小売店内など利用シーンを訴求することで新たな市場を開拓している。
多角化戦略

新製品で新市場を開拓していくことを目的とした戦略である。多角化戦略には、清涼飲料水メーカーがアルコール飲料市場の開拓を行うような、既存の製品や市場に親和性のある関連型の多角化と、電機メーカーが化粧品事業に進出するような既存の製品や市場との親和性が低い非関連型の多角化がある。

多角化戦略

多角化戦略とは、既存事業の周辺事業分野への進出(関連型多角化)、または既存事業と関係のない新たな事業分野に進出(非関連型多角化)し、企業の成長・拡大を図る戦略のこと。

多角化の採用動機

①既存事業の停滞、製品市場分野の成長率の鈍化、主力製品のライフサイクルが成熟期に近づいた
②季節変動、流行、天候条件などで需要が著しく左右されるため、リスク分散
③社内に抱える未利用の経営資源の有効活用、範囲の経済
④単一製品にのみ依存している
⑤ライバル企業が新規分野に進出したのでその対抗策
⑥顧客ニーズの変化
⑦代替え品の出現
⑧産業構造の変化
等が挙げられる。 外的な成長誘引は、通常、企業を新たな事業へと参入させる外部環境の機会もしくは脅威のことであり、内的な成長誘引は、企業内部の有形無形の未利用の経営資源や蓄積されたノウハウの存在から生じるものであり、これらの資源活用は、防御的な性格というよりも前向きな攻めの事業拡大であると考えられる。経営資源の活用により大きな収益の機会が見込まれる。主力事業で競合する企業は、互いにしばしば類似の多角化行動をとるので、業界内の既存の競争関係が維持されやすい。このような傾向は日本企業の行動特性として、同質的行動が指摘されることがある。
相補効果(コンプリメント効果)

複数の事業分野が相互に不足している部分を補い合うことで、市場の需要変動や資源制約に対応し企業全体でより大きな効果や効率の向上を得ることである。複数の製品や事業で何らかの経営資源を共通利用することで経済性を高める点はシナジー効果と共通しているが、コンプリメント効果は物的資源を、シナジー効果は情報的資源を用いて生み出す経済効果である点が異なる。シナジー効果を掛け算、コンプリメント効果を足し算と捉えることもできる。複数の製品分野での事業が互いに足りない部分を補い合うことで、企業全体として売上の季節変動などを平準化できる。例えば遊休資産や工場の空いている時期などを利用して別の製品をつくるような場合に生まれる経済効果はコンプリメント効果である。
相乗効果(シナジー効果)

同一企業が複数の事業活動を行うことで、異なる企業が行う場合よりも大きな成果が得られることである。
静的シナジーとは、時間に依存せず一時点で生じるシナジーのことであり、動的シナジーとは、技術革新など時間の経過によってもたらされるシナジーのことである。長期的な視点においては、効果の発生が長期的となる動的シナジーが望ましいと言える。範囲の経済とシナジー効果の両者は密接に関係している。シナジー効果が高ければ高いほど、範囲の経済性が大きくなると言える。シナジー効果は、用いる資源が情報である点が特徴であり、そのため活用しても減ることはなく、むしろ複数分野での活用によってさらに新しい情報資源が手に入れられる可能性もあり、事業の多角化などにおいて重要視される。

ポイントは、①シナジー効果と範囲の経済は概念的には区別される、②相乗効果は複数事業間に直接的な相互作用があるため特定事業同士の組み合わせでないと発生しない。したがって、特定の事業の組み合わせで発生するのが相乗効果であり、需要変動や資源制約に対応し、費用低下に結びつくのは相補効果となる

関連型の多角化

既存事業の市場シェアが新規事業の市場シェアに大きく影響する。 既存事業の資源を最大限転用して相乗効果を期待したい場合は関連型の多角化となる。

多角化の類型

・水平的多角化:既存市場の顧客への新しい事業展開)→既存市場での競争激化によるリスク分散のための最終製品の多角化
・垂直的多角化:既存市場の川上や川下への進出→仕入先(買い手)への交渉力を高めるための川下統合
・集中的多角化:既存製品の技術等を活かした新しい事業進出
・集成的多角化:既存製品の技術等と関係のない新しい分野への進出
・防御的な多角化:当初の市場において当該企業の業務にマイナス影響となる環境変化がある場合に、新規参
入企業を阻むための既存製品や関連製品の拡張により、その影響から身を守ろうとするものである。
ターゲット・マーケット・セグメント

選択的専門化

企業の目的に照らして魅力的かつ適切なセグメントを対象として選択する戦略である。選択的専門化では、製品と市場の関係が少なく、シナジーが期待しにくいが、リスク分散を図れる特徴を持つ。
市場専門化型

自社に有利な特定のセグメントに絞り込んでマーケティング・ミックスを投入する戦略のことである。製品も絞り込んでいる場合は、単一セグメント集中型という。
例として、老舗の豆腐製造業者B社は4代にわたって、家族従業者だけで豆腐の生産に携わっている。豆腐の販売先は、大都市に立地する日本酒バー数店舗のみである。この場合、市場専門化型と呼ぶ。
製品専門化型

特定の製品によって複数の市場を対象とする戦略である。
例として、タオルメーカーのC社は、同社のランドマーク商品である、手触りのよいハンドタオルシリーズのブランドによって、高級ホテルやレストラン、スポーツジム、贈答品専門店など幅広いターゲットに対する働きかけを行っている。この場合を製品専門化型と呼ぶ。
集中によるターゲティング

例として、ハンドメイドのスポーツ自転車を製造・小売するD社は、小さな製造小売事業所2店舗を通じて、ファッション性と堅牢度の高い製品を提供している。製品は洗練されたデザインを持つが、競技指向や機能性指向とは対照的な、ファッション性を求める市場セグメントがターゲットである。

差別型ターゲティング

例として、面や胴、小手、剣道着、はかまといった剣道用品を総合的に企画・生産するメーカーであるA社は、幼児・小学生、中高生、大学生・一般といった年齢を変数とした市場セグメントのそれぞれに適した製品群
を生産している。これを差別型ターゲティングと呼ぶ。

リストラクチャリング(事業構造の再構築)

リストラクチャリングとは、本来、不採算分野を縮小して成長分野に経営資源を集中投入することで競争力のアップを狙うことである。事業構想にあわせて不採算分野を縮小し、成長分野への経営資源の重点投入を図る。人員の削減だけがリストラクチャリングではないことに注意する。
具体的な例として、企業年金や有形固定資産の評価見直しなど資産の効率的運用を図るための減損会計、生産効率のよい工場に生産機能を集約し採算の悪い工場からの撤退、取引先と共同開発して部品の点数を減らしたり品質の向上を図りながら外注コストの削減、が挙げられる。

リストラクチャリングの一環として事業売却を行う場合は、その意思決定に全体最適や長期視点の考え方が必要となり、その検討は経営層が担うものでる。トップダウンで検討することが課題となる。 事業の子会社化を行う場合は、その事業が子会社へ移行後に自立して経営できる環境を整備することが好ましい。したがって、子会社への権限委譲を十分におこなう必要がある。従業員に対してストックオプションの付与によりモチベーションを向上させる施策は、創業期(スタートアップ期)にある企業にとって有効な施策であり、リストラクチャリングを行う企業でのモチベーション対策は雇用維持を目標とした施策である。

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