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2021年5月31日月曜日

経済学・経済政策 〜情報の不完全性〜

 情報の不完全性(非対称性)は、大きくモラルハザード(道徳的危険)と逆選択(アドバースセレクション)に区分される。モラルハザードは契約後の状況を想定し、逆選択は契約段階(契約前)の状況を想定したものである。

モラルハザード(道徳的危険)

契約後の契約相手自身の行動について契約当事者間で情報の非対称性が存在するために、市場参加者間で非効率な契約を結ばざるを得なくなることを言う。こうした状況は、一定の契約を締結した後に発生する現象である。例えば、健康保険に加入した後に、不摂生をして病気になったり、 自動車保険に加入した後に危険な運転をして事故を引き起こし易くなったりすることである。このため、モラルハザードを放置すると、保険会社は、保険金支払がかさんで倒産の危険にさらされることになる。
逆選択(アドバースセレクション)

本来選択すべきものと反対のものを選択してしまうことをいう。例えば契約の前に契約相手自身の質または契約 相手の売ろうとする財の品質について、売り手と買い手の間に情報の非対称性が存在するために、本来市場で選別されて残存して欲しい良質の人材や財が市場に供給されなくなってしまい、質の悪い人材や財のみが市場に供給されてしまうことを言う。こうした状況は、これから契約を締結しようとする際に発生する現象である。
例えば資金の借り手の良し悪しがわからないので貸し手が平均的な金利を設定すると、安全な借り手には高く、 危険な借り手には低い金利になるため、危険な企業だけが借り入れを行うというものである。自動車保険の例では、保険会社が事故を起こしそうな運転手と優良な運転手の区別がつかないとすると、同じ保険料を設定する。そこで、優良な運転手は割に合わないと感じ、保険に加入しなくなる。その結果、事故を起こしそうな粗暴な運転手ばかりが保険に加入することになる。
レモンの原理

レモンの原理とは、中古車市場を例にとると、買い手は中古車の品質がわからないため、売り手が良い品質のものを出しているのか悪い品質のものを出しているのかはわからない。そこで、売り手の方は安い費用で提供できる品質の悪い中古車だけを市場に出すことになる。このように売り手と買い手の情報の格差により、良いものが市場から排除され、悪いものだけが市場に出回ることを、レモンの原理という。なお、外見からでは中身がわからない劣悪な商品のことを「くわせもの」という意味でレモンという。ちなみに良質な商品はピーチという。

経済学・経済政策 〜公共財〜

純粋公共財

純粋公共財とは、消費の非競合性及び消費の非排除性という2つの性質を同時に満たす財である。ここで、消費の非競合性とは、複数の者が互いに他を妨げることなく消費することができるという性質を意味し、消費の集団性とも呼ばれる。消費の非競合性(消費の集団性)という性質は、共同消費(等量消費)が可能となる。例えば、花火大会という公共財の場合、 ある人が楽しんでも同時に他の人も楽しむことができる。つまり、消費が競合しな
い。このとき、共同で等しい量だけ消費することできる。一方、消費の非排除性とは、対価を支払わない者をある財の消費から排除することができないという性質を意味する。これはフリーライダーの問題ともよび、公共財に非排除性があるため、例えば政府により供給された公共財を租税負担なしに利用する人を排除できないことである。つまり、タダで消費することができる。
準公共財

準公共財とは、消費の非競合性と消費の非排除性のどちらか一方を満たす財である。
クラブ財

クラブ財とは、消費の非競合性は満たされるが消費の非排除性が満たされない財を意味する。すなわち、集団で消費することができるが、対価を支払わないと消費することができないものである。例えば、有料のケーブルテレビ放送などがクラブ財に該当する。
コモンプール財

コモンプール財とは、消費の非排除性は満たされるが消費の非競合性が満たされない財を意味する。すなわち、タダで消費することができるが、消費が競合してしまう。 例えば、漁業資源としての魚などが該当する。漁業資源としての魚は、タダで消費することができるが、特定の者がたくさん獲ってしまえば、他の者は獲ることができなくなってしまう。
価値財

価値財は、マスグレイブによって主張された概念であり、社会的に見て価値のある財という意味であり、行政の供給が望ましいと判断される財・サービスのこと。これは社会的価値の要請(秩序や正義、人権、公平、効果等)に応える補完的な公共財として考えられる。行政機関は、公営住宅、公設病院、介護、学校給食、文化・スポーツ等イベントの開催、麻薬禁止など実に多くの価値財を供給している。また医療は本来私的財であるので、市場で供給するのが最も効率的である。医療サービスは、非競合性と非排除性を有さないが、 価値財であると言える。
共有資源

共有資源の消費に対する有償の許可は、共有資源の消費の効率化につながる。共有資源は消費に競合性があるが、排他性のない財として定義できる。例えば、川や海などに生息する魚などの共有資源を無償で消費することができるということを許可してしまうと、勝手に特定の人間が獲ってしまう可能性があるため、効率的な消費とならない。一方、共有資源の消費に対して価格を設定することにより、共有資源を消費する際に有償であれば、共有資源の効率化を図ることができる。魚などの海洋資源の場合、ある人が獲ってしまえば他の人は獲ることができないので競合性はある。一方、魚は自由に(タダで)獲ることができるので、対価を支払わない人を消費から排除することができないため、排他性(排除性)はない。 

2021年5月18日火曜日

財務・会計 〜キャッシュフロー計算書〜

キャッシュフロー計算書は、直接法、間接法ともに6区分ある。

営業活動によるキャッシュフロー

間接法(第2様式)

税引前当期純利益から以下の項目を加減算する
・売上債権の増加(△マイナス)、減少(プラス)
・仕入債務の増加(現金の増加につながるためプラス)、減少(△マイナス)
・有形固定資産の売却益(△マイナス:税引前当期純利益には、すでに有形固定資産の売却益を含むため)
・受取利息および受取配当金(△マイナス:税引前当期純利益には、すでに利息および配当金を含むため)
・支払利息(プラス:税引前当期純利益には、すでに支払利息が引かれているため)
・貸倒引当金の増加(プラス)
・棚卸資産の増加(△マイナス)

上記を加減算したら以下を調整する
・受取利息および配当金の受取額(プラス:実際に当該期間に受け取った金額をプラスする)
・利息の支払額(△マイナス)
・法人税等の支払額(△マイナス)
投資活動によるキャッシュフロー

有形固定資産の購入(△マイナス)、売却(プラス)
有価証券の購入(△マイナス)、売却(プラス)
利息および配当金の受取額(現金の増加につながるためプラス。第1法では営業活動となる)
財務活動によるキャッシュフロー

借入金の増加(プラス)、返済(△マイナス)
現金および現金同等物の増減額

営業活動によるキャッシュフロー + 投資活動によるキャッシュフロー + 財務活動によるキャッシュフロー
現金同等物

容易に現金に換えることが可能であり、価格の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資(3ヶ月以内)である。
・定期預金
・譲渡性預金
・コマーシャル・ペーパー
・売戻し条件付現先
・公社債投資信託 など

キャッシュ・フロー計算書が対象とする資金は、現金だけでなく現金同等物も含まれる。例えば、コマーシャル・ペーパーや公社債投資信託等もキャッシュ・フロー計算書では現金同等物として取り扱われるが、貸借対照表では有価証券 や投資有価証券として取り扱われる。したがって、キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物期末残高と、貸借対照表の現金及び預金期末残高は一致すると限らない。
現金および現金同等物の期首残高

現金および現金同等物の期首残高
現金および現金同等物の期末残高

現金および現金同等物の増減額 + 現金および現金同等物の期首残高

2021年5月17日月曜日

財務・会計 〜連結財務諸表の意義〜

親会社の支配力が認められる会社は子会社として全部連結され、親会社の影響力があると認められる会社は関連会社として持分法が適用される。

全部連結

「連結財務諸表に関する会計基準」6項では、親会社とは、他の企業の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(意思決定機関)を支配している企業をいい、子会社とは、当該他の企業をいうと規定している。つまり、他の企業の意思決定機関を支配している企業かどうかによって判定がなされることになる。このような基準を支配力基準という。なお、議決権の所有割合は基本的に40%以上が検討対象とされる。
「子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分は、非支配株主持分とする」(「連結財務諸表に関する会計基準」26項)。非支配株主持分は、連結貸借対照表の純資産の部に記載されることになる(「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」7項(2))
連結の範囲

自己と緊密な者および同意している者が所有している議決権を合わせて、他の企業の議決権の過半数を占めている企業であって、他の企業の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在する企業の場合は連結の範囲に含まれる。他の企業の議決権の40%以上50%以下を自己の計算において所有している企業であって、自己と緊密な者および同意している者が所有している議決権と合わせて、他の企業の議決権の過半数を占めている企業の場合は連結の範囲に含まれる。他の企業の議決権の過半数を自己の計算において所有している企業の場合は連結の範囲に含まれる。自己の計算において他の会社の議決権の100分の40未満を所有している場合に、緊密な者及び同意している者が所有する議決権と合わせて当該他の会社の議決権の100分の50超を占めており、かつ当該他の会社に対して取締役の過半数の派遣、・・(中略)・・その他意思決定機関を支配していることが推測される事実の存在のいずれかの要件に該当しているときは連結の範囲に含まれる。単に自己の計算において所有している40%に満たない議決権と、自己と緊密な者および同意している者が所有している議決権と合わせて、他の企業の議決権の過半数を占めている場合でも、他の企業の意思決定機関を支配していない場合は連結の範囲に含まれず、持分法の適用対象となる。
持分法

持分法を適用する関連会社に該当するかどうかの判定は影響力基準で行う。議決権の20%以上50%以下を所有する会社や、議決権の保有割合が20%未満であっても財務、営業、事業の方針決定に対して重要な影響を与えることができると判断されれば関連会社となる(持基5項、5-2項)。持分法の適用対象となる関連会社は、企業が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の他の企業の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の他の企業をいうと規定されている(「持分法に関する会計基準」5項)。このような基準を影響力基準という。持分法適用関連会社の判定においても、子会社の判定と同じように実質的に判断することになる。連結損益計算書上、持分法による投資利益または損失は、営業外収益または営業外費用の区分に一括して表示することになる(「持分法に関する会計基準」16項)。これは、持分法による投資利益または損失が、投資に係る損益であるからである(「持分法に関する会計基準」27項)。

2021年5月16日日曜日

財務・会計 〜のれん〜

中小企業における「のれん償却」

「中小企業の会計に関する指針」(以下、「指針」という。)では、のれんに関する明確な記述は見られないが、貸借対照表の例示には資産の部、固定資産の無形固定資産の区分に「のれん」が計上されている。また、指針34項(1)では、「無形固定資産の減価償却の方法は、定額法その他の方法に従い、有効期間にわたり毎期継続して適用する」と記載されていることから、のれんの償却を行うものと考えられる。なお、指針8項では、「中小企業が計算書類を作成するに当たり拠ることが望ましい会計処理を網羅的に示すことは、およそ不可能である。そのため本指針では、特に中小企業において必要と考えられるものについて、重点的に言及している。」と述べられている。この点からも、のれんの償却を行わないという理解には至らず、のれんの償却は行うものと考えられる。
負ののれん

企業買収の際に、譲受け企業(買い手)が受入れた資産よりも上回る(高い)金額で買収した場合の差額をのれん、下回る(安い)金額で買収した場合の差額を負ののれんという。「企業結合に関する会計基準」(以下、「基準」という。)31項によると、「取得原価が、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合には、その超過額はのれんとして次項に従い会計処理し、下回る場合には、その不足額は負ののれんとして第33項に従い会計処理する」と述べられている。基準33項では、「負ののれんが生じると見込まれる場合には、次の処理を行う。・・・(中略)・・・(1)取得企業は、すべての識別可能資産及び負債(第30項の負債を含む。)が把握されているか、また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかどうかを見直す。(2)(1)の見直しを行っても、なお取得原価が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を下回り、負ののれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理する」とある。また、財務諸表等規則第95条の2では、「特別利益に属する利益は、固定資産売却益、負ののれん発生益その他の項目の区分に従い、当該利益を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない」と規定されている。
のれん償却期間

基準32項では、「のれんは、資産に計上し、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する」と述べられている。

2021年5月14日金曜日

財務・会計 〜値引き・返品の会計処理〜

売上値引・戻り・割引・割戻

売上値引

売上値引とは商品の品不足や品質不良などの理由で、事後的に販売代金の減額を行うことを指す。売上値引の会計処理は、「売上」の減額すなわち総売上高を控除し処理する。
売上戻り

売上戻りとは、いったん販売した商品に品質不良などの理由で返品を受けた場合をいう。売上戻りの会計処理は「売上」の減額すなわち総売上高を控除し処理する。
売上割引

売上割引とは、売掛金の決済を決済期日より早く行った得意先に対して、掛代金の一部を免除することを指す。この免除額は金利の性格を有するため、売上割引の会計処理は、
営業外費用として処理をする。
売上割戻

売上割戻とは、販売促進のため多額の取引をしてくれた得意先に対して、売上代金の一部を戻すことを指す。売上割戻の会計処理は、「売上」の減額すなわち総売上高を控除し処理する。

2021年5月11日火曜日

運営管理 〜生産の管理目標と手法〜

5S

整理

必要なものと不必要なものを区分し、不必要なものを片付けること
整頓

必要なものを必要なときにすぐに使用できるように、決められた場所に準備しておくこと
清掃

必要なものについた異物を除去すること。隅々まで掃除を行い、職場のきれいさを保つことにより、問題点を顕在化させる。
清潔

整理・整頓・清掃が繰り返され、汚れのない状態を維持していること。職場の汚れを取り除き、発生した問題がすぐ分かるようにする。
しつけ(躾)

決めたことを必ず守ること。問題を問題であると認めることができ、それを自主的に解決できるように指導する
管理目標(PQCDSME)

PQCDSMEとは、P(Productivity:生産性)、Q(Quality:品質)、C(Cost:原価・経済性)、D(Delivery:納期・生産量)、S(Safety:安全性)、M(Morale:士気・働きがい)、E(Environment:環境)の頭文字を合わせたものである。製造業に限らず、企業の活動において重要な管理目標である。
P(Productivity:生産性)

投入量に対して産出量をできるだけ多くすること。生産の効率性を評価に対し、生産量(付加価値)を労働量で除して求められる労働生産性を用いる。可用性に関する評価では、動作可能時間を動作可能時間と動作不能時間の合計で除して求められる可用率を用いる。ある設備等がどれだけ利用できるかを可用性と呼び、可用率は動作可能時間÷(動作可能時間+動作不可能時間)で計算する。
Q(Quality:品質)

ねらいどおりの品質の製品・サー ビスを提供すること。品質に関する評価に対し、検査によって不適合と判断された製品の数を検査対象の製品の総数で除して求められる不適合率を用いる。不適合率(不適合品率)は、不適合率=不適合品の数÷検査対象品の総数の式で計算する。不良率とほぼ同じ意味合いである。
C(Cost:原価・経済性)

資源の無駄を減らし、安いコスト で製品・サービスを生産すること。例えば製品原価と原材料費との関係を調査し、製品原価に占める原材料費の低減方策を考える。製品原価に占める主要な原価である原材料費の低減によって、製品原価のコストダウンを目指す。
D(Delivery:納期・生産量)

必要な時に、必要な量だけ製品や サービスを提供すること
S(Safety:安全性)

作業の負担が軽減され、労働災害や事故がなく、安全に作業ができ、さらに安全な製品やサービスを提供すること。職場の安全性の評価に対し、延べ労働損失日数を延べ実労働時間数で除し1,000を乗じて求められる強度率を用いる。強度率とは、労働災害の発生の程度を示す指標である。強度率は1,000延べ労働時間当たりの労働損失日数を用いることで、労働災害の重さの程度を表し、強度率=(延労働損失日数/延実労働時間数)×1,000の式で計算する。
M(Morale:士気・働きがい)

人の能力が開発、向上され、良い職場環境のもとで、働きがいをもって仕事ができること。生産に関する技術的な資格と資格取得者数を調査し、その生産現場で重点的に取得すべき資格の取得率向上のための研修方策を提案することによって、一般的には、その生産現場のモラールの向上を期待することができる。
E(Environment:環境)

環境に対し負荷をかけない製品やサービスを提供できること。環境を評価する指標として、廃棄物排出量、エネルギー投入量などの環境パフォーマンス指標がある。環境パフォーマンス指標とは、事業者が環境に関して配慮した結果、どれだけ環境負荷を削減したかを示す指標であり、環境省によって、総エネルギー投入量、総物質投入量、水資源投入量、温室効果ガス排出量、化学物質排出量・移動量、総製品生産量または販売量、廃棄物等総排出量、廃棄物最終処分量、総排水量の9つが示されている。なお、製品の使用期間は、 環境に対して間接的に影響を与える指標であると考えることもできる。具体的には、製品の使用期間が長くなればなるほど廃棄物を減らすことができるため、プラスの要素として影響を与え、一方、性能の悪い製品を使い続ければ続けるほど使用するエネルギーが多くなるため、 マイナスの要素としての影響を与えることとなる。また製品の使用期間に関して、安全性に対する評価指標とし て、経済産業省は、長期使用製品安全表示制度(扇風機などの家電が対象)、長期使用製品安全点検制度(瞬間湯沸器などが対象)を制定している。
ECRSの原則

「工程、作業、動作を対象とした分析に対する改善の指針として用いられる、E(eliminate:なくせないか)、C(combine:一緒にできないか)、R(rearrange:順序の変更はできないか)、S(simplify:単純化できないか)による問いかけ」(JIS Z8141-5305)である。つまり、工程、作業、動作を対象とした分析結果に対して用いられる改善手法となる。はじめの問いかけは「なくせないか」であり、工程分析の結果からなくせる工程がないかを判断する。なくせない工程に対しては、次に「一緒にできないか」および「順序の変更はできないか」という問いかけを行う。最後に、それぞれの工程に対してより「単純化できないか」という問いかけを行う。最後の「単純化できないか」という問いかけにおいては、工程よりも細かい対象(例えば、作業や動作など)に分解し、その対象に対して改めてECRSの問いかけを行うことを指している。
製品工程分析

材料、部品などが加工されながら完成品に変化する工程の流れを、加工、運搬、検査および停滞をあらわす工程図記号を用いて分析する手法である。製品工程分析を行う際、作業をある工程で同時に作業できないかを検討する(Combine)、順番を変えることはできないかを検討する(Rearrange)ことが考えられるため、ECRSの原則を適用することができる。
連合作業分析

人と機械、二人以上の人が協同して作業を行うとき、その協同作業の効率を高めるための分析手法である。連合作業分析では、作業を単独作業、連動作業、不稼働の3つに分類している。連合作業分析の目的の1つに配置人員の適正化がある。それ以外の目的には、人や機械の手待ちロス削減、停止ロスを明確にした作業サイクルタイムの短縮、人や機械の稼働率向上、機械持ち台数の適正化、などがある。複数素材の構成比やプロセス製造を行う際の順序や手順などの妥当性を分析することが目的ではなく、人と機械の組み合わせ、複数の人の組み合わせに焦点を置き、稼働効率の向上を図るために分析することを目的としている。例として設備オペレータの適正な設備担当台数を検討するために実施する。工程図記号などを用いて図表化するため、分析結果から各工程、作業、動作レベルにてECRSの原則を適用した作業改善を行うことができる。人と人との組み合わせを対象とした分析を組作業分析という。
事務工程分析

経営方針決定に必要な情報を収集処理することや、方針を各部門に伝達すること、方針に従った計画を各部門で策定することなどの事務活動を分析する手法である。工程図記号などを用いて図表化するため、分析結果から各工程、作業、動作レベルにてECRSの原則を適用した作業改善を行うことができる。
両手動作分析

作業を観察し、両手の動作の順や方法の問題点、手待ち、ムリ・ムダなどを改善する方法である。手待ちがあれば、なくせないか (Eliminate)、動作に問題があれば一緒にできないか (Combine)、順序を変えることはできないか(Rearrange)、 作業そのものを簡素化や単純化できないか(Simplify) 等を検討するため、ECRSの原則を適用することがで きる。
連続稼働分析

稼働分析における連続観察法のことであり、作業者の稼働状態を連続して観察する手法である。作業者の1日の作業内容と作業状況を分析する。作業者の稼働状態を把握することで、非稼働状態をなくせないか(Eliminate)等検討できるため、 ECRSの原則を適用することができる。
作業者工程分析

「生産主体の作業者を中心に作業活動を系統的に工程図記号で表して調査・分析する手法」で、作業者工程分析の応用型として、作業場配置図上に作業者の移動を中心にした糸引き線図がある。作業者の行動を製品の流れと同様に考え、作業・検査・移動・手待ちを作業ステップ記号を用いて図表化し、作業者の行動を改善するために行う手法である。作業者工程分析では、作業者の手の動きまでは分析しない。手の動きのような作業内容を分析するのは動作研究で、両手動作分析が用いられる。
ストリングダイヤグラム

糸引き線図のことである。作業者の移動を調査・分析する手法である。作業者の移動に関する問題を抽出するために作成する。

一方、ABC分析は多くの在庫品目を取り扱うとき、それを品目の取扱い金額または量の大きい順に並べてA,B,Cの3種類に区分し管理の重点を決めるのに用いる分析である。また流動数分析とは、工程における停滞量や停滞時間をグラフで示し、進捗管理や問題工程の抽出を行う分析である。これらの分析手法は、工程、作業、動作を対象とした分析ではなく、分析結果から直接的にECRSの原則を適用することは困難となる。
段取改善の手順

現状分析

内段取と外段取の切り分け

・内段取:機械やラインを止めて行う段取り
・外段取:機械やラインを止めないで行う段取り
内段取の外段取化

①作業の簡素化
②治工具の改造
③調整作業の削減
④並行作業の実施
⑤作業訓練の徹底
内段取時間と外段取時間の短縮

①5Sの徹底
②動作のムダの排除
③治工具の改造
④作業のマニュアル化
⑤作業訓練の徹底
効果の評価と他工程への展開


運営管理 〜品質管理〜

製品の品質には、企画品質、設計品質、製造品質、使用品質など、各段階別に分けて整理される。品質管理の活動として、品質方針、目標及び責任を決定や、品質計画、品質管理手法、品質保証および品質改善を実施する。

品質管理の目的


①製品の不良を防止して、顧客への品質保証と品質不具合に伴うコストを下げる
②製品や作業のばらつきを減らす
③作業の不具合をなくし、効率の向上を図る
④製品クレーム情報に基づき有効に改良する

設計品質


設計品質は「ねらいの品質」と呼ばれる。製品の製造・提供の目標としてねらった品質であり、品質特性に対する品質目標である。設計品質とは、設計図において規定された品質で、製造の商品価値(売価)、工程能力(技術的な能力)、原価などを考慮し、顧客・使用者を明確にした上で、顧客ニーズに基づく製品設計を行うことが必要となる。

製造品質


製造品質は、「できばえの品質」「適合の品質」と呼ばれる。実際に製造された製品の品質のことであり、製造段階で責任を持つべき品質である。設計品質をねらって製造・提供した製品の品質であり、設計・企画に対して、実際に製造した製品がどれだけ設計品質に適合しているかを示すものである。製造品質を確保するためには、製造工程設計、適切な工程管理や作業標準化、作業者の教育訓練などが有効となる。

使用品質


消費者の使用中に、期待通りの状態維持に努めるサービス行為。メンテナンス段階で得意先とコミュニケーションを積極的に行い使用品質を高める。

品質特性


品質特性は、顧客の要求をそのまま表現した「真の特性」のほか、真の特性に代えて評価する「代用特性」によって構成される。代用特性は、品質そのものを測定値として客観的に評価する品質特性である。なお代用特性を図る指標として用いられる品質特性値には、出荷時における設計品質合致性、品質安定性などのほか、利用開始後の使用性や安全性、互換性などを評価する判断指標が用いられることがあるが、製品価格は品質を表現したものではなく、品質特性値には含まれない。

代用特性


代用特性とは、真の特性に代えて評価する品質特性である。品質特性は、品質評価の対象となる性質や性能のことで、品質要素に対して測定値を与えるために用いる尺度である。通常、真の特性は測定が不可能なために代用特性が用いられることが多い。例えば、液晶パネルの「画像が綺麗」という感覚的なものは、直接・具体的な尺度では表現できないため、物理的な精細度の画素数や明るさなどで、真の品質特性に対する代用特性として使われる。

品質展開


品質展開は、「要求品質を品質特性に変換し、製品の設計品質を定め、各機能部品、個々の構成部品の品質、及び工程の要素に展開する方法」と定義されている。品質展開(Quality Deployment:QD)は、日本で開発された管理技法で、具体的には新製品などの開発に当たり顧客の要求する品質を基に設計品質を決定し、これを実現するためその構成機能・部品の品質を細部部品や工程にまで体系的に図式化して展開し、製造を開始する前に品質保証を行おうとするものである。

2021年5月10日月曜日

経営情報システム 〜システム開発のためのダイヤグラム〜

DFD(データフローダイヤグラム)

データの流れに着目して対象業務のデータの流れと処理の関係を記述する。情報システムの内外の関係するデータの流れを表す図である。
ERD(エンティティ・リレーションシップ・ダイヤグラム)

リレーショナルデータベースなどで利用されるデータを、実体、 関連およびそれらの属性を要素としてモデル化する図である。
UML(Unified Modeling Language)

オブジェクト指向のシステム開発に利用される代表的なモデリング技法
構造図

クラス図

対象となるシステムを構成する概念・事物・事象とそれらの間にある関連を表現するダイアグラム。
コンポーネント図

UMLの一種であり、システムの物理的構成要素の依存関係に注目してシステムの構造を記述する図である。

振舞い図

ユースケース図

UMLの一種であり、システムにはどのような利用者がいるのか、利用者はどのような操作をするのかを示すために使われる図である。
ステートマシン図

システム内部の振る舞いを表現するためのもので、ユースケースをまたがったオブジェクトごとの状態遷移を表現するダイアグラム。
アクティビティ図

活動の流れや業務の手順を表現するダイアグラム。
コミュニケーション図

あるユーザがユーザ登録画面等を使ってデータベースに情報を登録する各オブジェクトの関連と相互作用をあらわす、振る舞い図の一つ
シーケンス図

オブジェクト間の相互作用を時系列に記述する。

2021年5月9日日曜日

財務・会計 〜投資評価基準(NPV法、IRR法、回収期間法)〜

正味現在価値法(NPV法)

正味現在価値は、投資によって得られるキャッシュフローを現在価値に割り戻した合計から初期投資額を減算することで算出する。注意が必要なのは、減価償却費や固定資産売却損などから発生する節税効果である。
内部利益率法(IRR法)

内部利益率法は、相互排他的投資案の評価において、不適切な結果を導く場合がある。要求利益率で割り引いた正味現在価値が正ならば、内部利益率は必ずその要求利益率を上回る。

回収期間法

回収期間法とは、投資案の初期投資額を回収できる期間(回収期間)が、あらかじめ基準となる回収期間(基準回収期間)よりも短い投資案を採用する経済計算手法である。回収期間法は、回収期間が短いほど有利な投資案とする。回収期間法は、回収後のキャッシュ・フロー、または収益性を無視している。回収期間法は、革新的新製品投資のような相当長期の経済命数を有する投資を選択する傾向はない。投資額の回収期間の長短を判定するため、回収後により多くのキャッシュ・イン・フローを獲得する投資案がむしろ棄却されるおそれがある。回収期間法は、割引計算を行わず直接的には貨幣の時間価値を考慮しない。投資の効果は長期間に及ぶから、その費用対効果(投資の採算性)は、できるかぎり同一のタイミングでの比較が必要となるので、時間価値を考慮する方法が合理的であるとされる。すなわち、回収期間が同じであっても、時間価値を考慮すると、回収期間の早い段階にキャッシュ・イン・フローが集中する場合と、そうでない場合とで結論が異なる。

Nike Run Club トロフィー シンコ・デ・マヨ

シンコ・デ・マヨ(スペイン語: Cinco de Mayo、5月5日の意味)は、メキシコの祝日。1862年5月5日にプエブラの戦いでメキシコ軍がフランス軍を奇跡的に撃退したことを記念する



AWS認定デベロッパーアソシエイト 個人的メモ

Amazon  API Gateway  Amazon API Gateway の新しいバージョンのAPIを作成し、別のデベロッパーに対してAPIへのアクセスを提供する場合は 既存のAPI Gateway APIで新しいステージを定義し、 エンドポイントが新しいステージをポイン...